それでもあなたと結婚したいです。

色っぽい悩まし気な声が部屋に響く。


(うわっ!びっくりしたぁ!!)


誰もいない部屋の中をなぜかキョロキョロ見回した。


(別に悪いことしてる訳じゃないもの、ただの夫婦の営み、初めての共同作業よ!何もやましくない…やましくない。てゆうか、これでも起きないの?こうなったら最後の手段だ。本当は千春さんからされたかったけど……仕方ない!)


私は千春さんの胸板に手を着くと、少し体重をかけて唇に迫った。


(……後、少し………)



ガッ!!



「きゃっ!!」



急に両手を掴まれて、気づくと私は、千春さんの脚の上で拘束されていた。


「花枝……さん?」


「千春さん、やっと起きた。帰って来たなら起こしてください。……私、ずっと待ってたんですよ。」


内心心臓バクバクなのを悟られないように、出来るだけ優しく、ゆっくりと彼に抱きついた。


「花枝さん………。」


「このまま、私を抱いてください。」



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