それでもあなたと結婚したいです。
「?」
「あの日、お見合いをした泉さんから初めて縁談を進めて欲しいと電話があったんです。私は、びっくりしました。あなたの何が頑なだった彼の心を動かしたのか、とても気になりました。彼とあなたからあの日の話を別々に聞いてとても面白かったんです。……面白いなんて言ったら失礼かもしれませんが、片や生き生きと貴女の武勇伝を話してきかせてくれる。また、もう一方は天国から地獄にでも落ちたかの様に慌てていました。」
「あの時は騒いですいませんでした。」
自分の行動を思い出し、急に恥ずかしくなった。
「全然違う二人だけど、もしかしたらって希望を持ってしまいました。あなたなら泉さんを救い出してくれる救世主になるんじゃないかと……。」
「私が救世主だなんて……、そんなの……」
「やる前から逃げるんですか?」
「!!」
「あなたなら、救えるかも知れないのに、彼を見捨てるんですか?」
「わっ私はっ!!」