それでもあなたと結婚したいです。
14 会いたくて
「はぁ~~~~。」
「ちょとさっきからさぁ、何回溜め息ついたら気がすむわけ?こっちまで陰気になるから止めてよね。」
掃除機を掛けながら、真弓が忙しそうに私を跨いでいった。
「あ、ごめん。」
あの日の翌日から真弓の家にお世話になって二週間。
会社もここから通っていた。
「ちょっと、ちょっと~~!!黒木さんに自分は逃げないって言ったんでしょ!!いつまで家に入り浸ってんのよ~。時間が経てば経つほど帰りづらくなるわよ。…………うちの旦那、今日、出張から帰って来るんだけどどうする?まだ居るなら帰って来る前に連絡しなくちゃいけないんだけど?」
「真弓、どうしよう?どうしたらいい?第一声何て言ったらいい?めっちゃ啖呵切って出てきちゃったから帰りにくいよ~~!!」
「取り合えずいつも通りでいいんじゃない?あんた達はまず、話し合わなくちゃ。それからでしょ?」
「………うん。」
「もぅ~~ほら!いつもの花枝はどこに行ったの!要は千春さんが絶倫になればいいんでしょ!!」
「真弓………、絶倫って………。」
「いつまでもぐじぐじ悩んでないで、いつもの様に考え無しで突っ走って、さっさと武勇伝作って来なさいよ!!」
「………………そんで、なんかあったら私の所に来ればいいでしょ?」
「ま~~~ゆ~~~~~!!」
真弓は私に負けず劣らず男前な性格だ。この性格に何度助けられた事か。
いつも、ピンチの時には何だかんだ言って、いつも助けてくれる。
今だって行く宛のない私を保護してくれている。
(もしかして、千春さんにはこんな人、一人もいないのかな……?)
急に心配になって、私は荷物をまとめた。
「私、今日……帰るね!」