それでもあなたと結婚したいです。
夕食を終えて、私達はリビングのソファーで向かい合って座っていた。
「千春さん。これから二人の事を話し合いたいと思います。お互い包み隠さず、正直に。最初に私の話を聞いてください。」
「はい。」
「黒木さんから大体の事は聞きました。貴方の病気の事。……私はこの際、しっかり治療した方がいいと思います。私に出来る事なら何でもサポートしますから。」
「えっ?」
「えっ?ってなんですか?一生治さないつもりですか?私はやる前から諦めるのが一番嫌いです!私も頑張りますから、千春さんも頑張ってください!!」
「違うんです。…………病気を知られた後、そんな風に言ってくれる人初めてで……びっくりして。」
千春さんは驚きながらも、困ったような笑顔を作った。
「花枝さんは本当に優しくて、強い人ですね。受け入れてくれるんですか?貴女に散々酷い事をしたこの俺を……。貴女の幸せを願うなら、その手を取ってはいけない事は分かっています。貴女に会えない間、ずっとそれを考えていました。毎日結論が違いました。」
「それで、今はどうなんですか?」
「今日、貴女に会うまでは前者の方でした。でも、今は……」
彼は、少し躊躇いながら、暫くするとゆっくりと私に瞳を合わせた。