それでもあなたと結婚したいです。
16 気になる人
「それじゃあ行ってきます!」
「いってらっしゃい!花枝さん!!」
今まで朝を一緒に過ごした事が無かった為、色んな事に気付かされる。
私の方が先に出勤しなきゃ行けない事。
千春さんは秘書の佐伯さんが迎えに来て出社する事。
車で送ろうかと言われたけど悪目立ちしそうだから遠慮してもらった。
私は会社ではあくまでも上司のサポート役、変に目立ってプライドの高い上司に目をつけられても仕事がやりにくくなる。
秘書の仕事には自信がある。
完璧にこなすことも好きだし、上司がスムーズにスケジュールを進められると自分も気持ちいい。
“君は気が利くなぁ”なんて言われたら益々、調子に乗ってしまう。
取り合えず、千春さんとは話し合ったし、集中出来てなかった仕事にも今日はしっかり取り組めそうだ。
「失礼します!」
私は淹れたてのブルーマウンテンを片手に部長の部屋をノックした。
「おっ花枝ちゃ~~ん!今日は元気がいいねぇ~~!!」