Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「諒真さん、意外とすごい…」
「意外って何だ、意外って!! まぁいい、ほらもっと食え!!」
すすめられるままに、パクパク食べる。
何でこんなに美味しいんだろう……。
「実を言うと、オムライスは初めて作ったんだ。うまいって言ってくれて良かった」
少し照れながら、諒真さんは言った。
初めてでこんなに美味しく作れるなんて、もはや天才としか言えない。
「…ありがと、諒真さん」
なんだか恥ずかしくて目を見ずにいうと、諒真さんは笑ってわたしの頭をわしゃわしゃ撫でた。
「おうっ!! 元気がでてよかったな!!」
「ちょ、痛い……」
まるで親のような撫で方に妙な恥ずかしさを感じて、頭を振る。
「やっぱりさっきーりんりんは元気でなきゃなっ!!」
「……名前がさっきからどんどん悪化してるんだけど」
「ん? 何か言ったか、さきりんりんちょ!!」
「咲誇でいいっ!!」
チャラい銀髪とピアスを揺らして笑う諒真さんは、きっと気楽に生きているんだろうな。
この時は、そう思っていた。
彼のことを、何も知らなかったくせに……