Am I What Colors?ー元姫の復讐ー

「…よぉ、南」


「なんでお前がここに…北苑(キタゾノ)……」



白に近い長い金髪のオールバックヘアに、いけ好かない美貌。


そいつが笑うと女が気絶する。


そんなアホみたいな伝説を持った男……北苑海利が、目の前にいる。


自分でも無意識のうちに、睨みつけていたらしい。


北苑は相変わらずへらへらしながら俺の隣に座った。



「そんな嫌がるなよ、南。俺らの仲じゃねぇか!!」


「何が、俺らの仲だ……。どの口が言う」


「もしかして、まだあの時のこと怒ってんのか? あれは悪かったって、謝ったじゃねぇかよ」



さほど反省の色も見せず、タバコに火を付ける北苑。


怒りが沸く。



「南、今日はお前に話があってな」


「……用件があるならさっさと済ませろ。俺は帰りたいんだ」


「すぐに済む」



北苑はバーテンにカクテルを頼むと、タバコを消して俺を見た。

< 136 / 469 >

この作品をシェア

pagetop