Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「…よぉ、南」
「なんでお前がここに…北苑(キタゾノ)……」
白に近い長い金髪のオールバックヘアに、いけ好かない美貌。
そいつが笑うと女が気絶する。
そんなアホみたいな伝説を持った男……北苑海利が、目の前にいる。
自分でも無意識のうちに、睨みつけていたらしい。
北苑は相変わらずへらへらしながら俺の隣に座った。
「そんな嫌がるなよ、南。俺らの仲じゃねぇか!!」
「何が、俺らの仲だ……。どの口が言う」
「もしかして、まだあの時のこと怒ってんのか? あれは悪かったって、謝ったじゃねぇかよ」
さほど反省の色も見せず、タバコに火を付ける北苑。
怒りが沸く。
「南、今日はお前に話があってな」
「……用件があるならさっさと済ませろ。俺は帰りたいんだ」
「すぐに済む」
北苑はバーテンにカクテルを頼むと、タバコを消して俺を見た。