Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「俺ら、もう一度手を組まねぇか?」
「……何だと?」
「『蛇中の南北』と呼ばれた俺らが手を組めば、怖いもん無しだぜ? あの頃みたいに、自由気ままにやらねぇか?」
「断る。俺は今のままで……」
「幸せ…ってか?」
言葉の先を言われ、口を閉ざした。
北苑はハッと鼻で笑う。
「そんなわけねぇだろ。あんなことがあっちゃ、口が裂けても幸せだなんて……」
「黙れ!! 誰のせいだと思ってんだよ!!」
俺の怒鳴り声に、店内がシンと静まる。
北苑だけが、ニヤニヤして俺を見ている。
俺が苦しむのを、楽しむかのように。
俺は立ち上がって、北苑に背を向けた。
「……帰る。2度と俺の前に現れるな」
「それは約束できねぇな。噂の姫も見に行きたいしよ」
『姫』
その言葉に反応し、振り返った。