Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
諒真さんに連れられ、マンションの裏手に回る。
備え付けの小さな小屋から出てきたのは、かなりハイテクな自転車だった。
さすが、億ション……。
「滅多に使わねーからちょっと汚れてるけどよ、そこは我慢してくれ!」
「ん、大丈夫。ありがとう」
「おー!んじゃ、帰ったらここに置いといてくれ!俺が片付けるから」
「はーい」
諒真さんに見送られ、私は家に向かって自転車をこいだ。
何年ぶりだろう、自転車に乗るの。
時が経っても案外乗れるものなんだなぁ……。