Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
ひたすら無言で歩く南蓮央。
ただ、さっきと違うのは、私の手を引いているということ。
シャッとカードキーをスキャンして、部屋に入る。
私の手を離し、彼はソファーに座り込んだ。
珍しくビールも飲んでいない。
クッションを抱き抱えてうずくまっている。
「あの……南蓮央…………?」
恐る恐る声をかけると、目だけをこっちに向けた。
悲しそうな、目を。
「……咲誇、俺はどうすればいい…………?」
「え……?」
突然尋ねられ、戸惑うことしかできない。
「絵里を忘れてはいけないのに……俺は、絵里以外の人を愛してはいけないのに…………好きになった」
「誰、を……?」
「お前を…」