Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「……ばぁーか」
フッと息が顔にかかり、目を開ける。
唇が触れそうな距離で、蓮央が優しく笑っていた。
「いくら俺でも無理やり襲ったりしねぇよ。悪かったな、怖がらせて」
「え……」
「え、じゃねーよ。お前、泣いてるじゃねぇか」
「あ……ホントだ……?」
頬を触ると、濡れていた。
知らないうちに泣いてた・・・
「ほら、帰るぞ」
ポンと頭を撫でられ、手を差し出された。
迷いなく、その手を握る。
最初はあんなに握るのを躊躇った手を、今は離したくないと思ってる。
いつの間にか、こんなにも依存していた。
私はきっと、この手無しだと生きられない。