Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
蓮央は、私の耳に唇を寄せて囁いた。
「お前は俺の、特別な女……な?」
「それも、やだ……」
「ちゃんと言ってほしかったら」
体がくるりと反転する。
目の前にある蓮央の口がゆっくりと弧を描く。
「咲誇からキスして?」
「……え」
「いつも俺からだし。たまには……な?」
にっこりと妖艶に微笑む蓮央の顔が、月明かりに照らし出された。
私は、その雰囲気に流されるように……触れるだけの、キスをした。