Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
そして彼女が話し始めたのは、諒真のこと。
その話を聞いているうちに、違和感を覚えた。
諒真が急にそんな深いことを聞くなんて。
『海』や『溺れる』や『サメ』というワードがひっかかり、何度も繰り返しているうちに気付いた。
それが、諒真を表しているということ……
そして、あいつが助けを求めているということに。
不思議そうな顔をする咲誇に、真実を話した。
言っているうちに自分への怒りが込み上げてきて、砂浜を殴った。
悔しくて、悔しくて。
「蓮央」
俺を呼ぶ、か細い声でハッとして、帰ろうとした。
自分から、逃げようとした。