Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「諒真さん」
蓮央の腕から抜け出し、諒真さんの前に立つ。
「マンションで諒真さんに質問された時、私、言ったよ。
私は、溺れている子を助ける。鮫に食われるとしても、黙って見殺しにするよりマシだって。
キレイ事だって思うかもしれないけど、もう嫌だから。仲間が傷つくのを黙って見守るのは」
「でも、俺のせいでみんなを傷つけたくねぇ……」
戸惑うように私を見る諒真さんに、笑いかけた。
「傷ついているのは、諒真さんも同じ。だからこそ皆が、助けたいと思うんだよ。溺れているなら、この手に掴まって。必ず引き上げるって、約束するから」
手を、諒真さんに差し出す。
私がここに来たあの日、蓮央がしてくれたように。
「でも……」
「……諒真先輩さぁ」
なかなか手を掴もうとしない諒真さんにイラついたように、歩がゲームの電源を切ってこちらを向いた。
「前から馬鹿だとは思ってたけど、ここまでのクソ馬鹿だとは思わなかった。」
「……は?」
歩の言葉に、そこにいる全員が口を開けて彼を見る。