Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「俺のせいでみんなを傷つけたくない?何言ってんの?傷つくのは俺らが弱いからだろ、諒真先輩のせいじゃない。だから俺は武器を用意して、迷いなく飛び込んでやるよ」
そう言って薄く笑う歩の顔はとても格好よくて、『孤高の王子』と呼ばれる訳が分かる気がした。
それに続いて、真浩も立ち上がる。
「じゃあ僕は、諒真さんが苦しまないように酸素を用意する。苦しくなったら、一緒に泣こう?僕が酸素になるから」
「真浩……」
「俺はお前が溺れないように支える。俺に掴まってろ、諒真」
圭太が、諒真さんの肩にポンと手を乗せた。
それを見て、蓮央が私の隣に立った。
「諒真、必ずお前を自由にしてやる。だから今は、ただ俺たちを信じて欲しい。今度こそ……絶対に、成功させるから」
「蓮央……」
「掴まれ。助けると約束する」
その言葉を合図に、みんながいっせいに諒真さんに手を差し出した。
目に涙を浮かべている諒真さんは、下を向いて、ははっと笑った
「そんなにいっぺんに、掴めねぇよ……
ちくしょう、みんな大好きだーっ!!!」