Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「お前は、一人じゃないだろ。もう少し蓮央さんを頼れば?」
「え……」
「あんたがあの人に心を開いてるのは知ってる。……昨日、ヤったみたいだしな」
「な、なんでそれをっ……!?」
言い当てられて思わず後ずさると、歩は私をスッと指さして薄く笑った。
「……それで隠してるつもり?鎖骨」
「へ………?…うわわっ!?」
全力疾走したからか、巻いていたマフラーが乱れて鎖骨があらわになっていた。
そこには、たくさんのキスマークが……
「気づいてたなら、言ってよ……!」
そう言って慌てて巻き直すも、もはや後の祭りだ。
「別に隠さなくていいだろ。
それにしても……あの人がそんなにキスマークつけるなんて、相当あんたに惚れてんだな」
「え……惚れ…………?」
「あの人の女は今までたくさん見てきたけど、それがどんなに美人でも『跡』が残るようなことはしなかった。それだけあんたに本気ってことだ」
「そう……なんだ…………」
頬が熱くなって、両手で押さえる。
他人から言われると、恥ずかしい。