Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
数分もしないうちに、立っているのは私だけになった。
「弱いくせに喧嘩売ってくんなよ…………」
転がっている男をもうひと蹴りしてから教室を出ようとすると。
「あーあ……派手にやっちゃったね〜」
目の前に、一人の男が立ちはだかった。
金髪の男。
路地裏で会った、二階堂だ。
無言で睨みつけると、怯みもせずに教室の中を見渡した。
「こんなに喧嘩が強いなんてね、元姫さん。…………いや、元黒薔薇、【睡蓮】現姫って言った方がいいかなぁ?」
全てを見通すかのような鋭い視線に、ゾクリと背筋が凍った。