Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
どうして、私が黒薔薇で【睡蓮】の姫だって…………
二階堂は何かを思い出すような仕草をしながら、私を通すまいと出口を塞ぐ。
「路地裏で【睡蓮】の幹部に会った時、一人の女が総長の後ろにいたんだよね。総長は隠そうとしてたみたいだけど、僕は一目見てピンときた。あ、裏切り者の姫だ……ってね」
「…………」
「誤魔化そうったって無駄だよ?裏切り者の顔を、俺が忘れるわけ無いじゃん?」
まぁ、こいつは奈緒を可愛がってたしなぁ。
『奈緒をいじめた』という設定にある私は、きっと憎まれているに違いない。
「で、最近話題の黒薔薇ってやつは、見た目の長い黒髪と美貌、そして喧嘩の強さで名付けられたらしいし?悔しいけど、容姿はアンタと条件ぴったりだったから怪しんではいた。んで、この有様じゃん?確定でしょ」
「アンタ、馬鹿かと思ってたら意外と鋭いんだね」
「どーも。ところでさ、あの時の言葉覚えてる?」
あの時……?
路地裏で会った時のこと?
忘れたわ。