Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「大人しく従うってなら、このガキは救急車で運んでやるし、睡蓮も襲わない。
…………さて、お前はどうする?」
「この…卑怯者っ……!!」
「卑怯?それは違うな。言うことを聞けば大切な人をみーんな守れるんだぞ?
優しいじゃねぇか、なぁ!!」
翠斗が屋上にいる奴らに声をかけると、「総長の言う通りっす!!」と口を揃えて言う。
でも、私は蓮央と別れたくない……
嘘でも、「嫌い」だなんて言いたくない……
「なぁ、咲誇」
追い出される前と変わらないトーンで、翠斗が囁いてくる。
「お前のワガママで、大事な奴らが傷ついてもいいってのか?」
「…………」
「蓮央とかいう総長は、俺が直々に、相当ひどくやるつもりなんだけど?」
「っ…やめて……!!」
「じゃあ、電話しろ。おい弘樹」
いつの間に来たのか、二階堂弘樹が私のカバンの中を探ってスマホを取り出し、投げつけた。
カシャンと私の前に落ちたスマホ。
ホーム画面は、水に浮かんだ蓮の花。
蓮央をイメージして設定したものだ。