Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
○信じてる《蓮央side》
《蓮央side》
俺は倉庫の総長席に座ってビールを持ちながら、ただスマホを握っていた。
ツー、ツー……と無情な機械音だけが、耳に入る。
「…………どういうことだ?」
ビールの缶を置き、髪をかきあげながら整理する。
いきなり別れたいと言ってきた咲誇。
その理由は、『翠斗にヨリを戻そうと言われたから』らしい。
翠斗っていうのは、【桜蘭】の総長か……。
何でだ……何で急に…………?
しかも翠斗ってやつ、何故か喧嘩をふっかけるようなことを言ってきやがった。
何がしたいんだ?
頭の中は混乱して、よく分からねぇけど。
ただ一つ言えるのは、心に大きな穴がポッカリとあるってことだけ。
「蓮〜央〜♪もう飲まねぇのぉ〜?」
酔っ払った諒真が肩に腕を回してきた。
それを乱暴に振り払う。
「諒真、今それどころじゃない」
「えぇ〜?ひどいわぁ、蓮央ちゃん!
そんなんじゃさっきーに嫌われるよ?」