Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
蹴り飛ばされてフェンスに叩きつけられた私の前に、翠斗が屈む。
「言ったよな?逆らったら皆殺しだと。まぁ、お前の場合は違うけどな」
「…え……?」
「お前だけは半殺しで生かす。仲間が死んでいく姿を苦しみながら見ればいい」
「この……クソ野郎…………」
こいつは、狂ってる……
「ラストチャンスをやる。俺の彼女を演じろ。返事は?」
つぅ、と、一筋の涙が頬を伝った。
嫌だ。
絶対に、やりたくない。
蓮央を、【睡蓮】を、これ以上裏切りたくない。
でも、逆らえば本当にみんなが死ぬ。
翠斗は私や蓮央より何倍も強い。
この弱った体で喧嘩を売って勝てる相手ではない。
一体どうすればいいの……?
「無言は肯定と受け取る」
「…私が、あんたの言う通りにしたら………蓮央達を絶対に傷つけないと約束してくれる?」
「……まぁ、いいだろ。その代わりお前を殺すことになるけど」
それでもいい。
蓮央たちが、傷つかずに済むのなら。