Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
その瞬間。
「咲誇っ!!」
待ち焦がれていた、愛しい声。
私を呼ぶ、あの人の声。
「咲誇!!」
開かれた屋上のドアの入口に立っているのは、大好きな大好きな、蓮央。
風になびく青い髪を見た瞬間、思わず呼んでしまいそうになった。
「蓮央……っう……」
それを許さないというように、翠斗が私の腕を握る手に力を込める。
そして、蓮央を見据えて笑った。
「やっと来たか。来ないかと思った」
「お前が翠斗とかいう奴か……」
蓮央は翠斗を睨みつけ、怒りを込めて拳を握る。
「咲誇を返せ」
「それは出来ないな。コイツは俺の彼女だ」
「……それは、本当なのか?咲誇」
蓮央が確かめるように、私を見る。
違う……
違うよ、蓮央。
私、こんなやつの彼女なんかじゃない。
私は、あなたのものだよ。
そう言いたいのに。