Am I What Colors?ー元姫の復讐ー




傷つけたく、ない。


守りたい。



どんな手を、使ってでも。




「…そう、だよ……。翠斗のことが、好きなの…………」



蚊の鳴くような声で言うと、翠斗は笑い、蓮央の瞳が揺れた。



「咲誇……それはお前の本心なのか!?」



蓮央の隣に立つ圭太が、黙る蓮央の代わりに聞いてくる。



本心……?


本心である、わけがないよ。



嫌だ嫌だ嫌だ。


嫌なの。



もう、誰も傷つけないで……



「そうだよ?当たり前じゃん。私、翠斗が誰よりも好きだよ」



泣きそうになる自分を押し殺し、感情を殺して、震えないように言う。


自分に嘘をつくのって、こんなに大変なんだね……。



「嘘……だよな?咲誇」



やめて、蓮央……


そんな悲しそうな顔、しないでよ。



決心が揺らぎそうになるから…………


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