Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
歩が額の汗をぬぐいながら、ペッと血の混じった唾を吐く。
「助っ人……?」
「【龍嵐】だよ。北苑が来たんだ」
「えっ……!?」
『北苑』という言葉に、私と蓮央は顔を見合わせる。
「北苑が、助けに来たってことか!?」
「まぁそうなるな。雑魚は片付けるって言ってた、ぞ!」
バキッ!
「『俺は蓮央の味方だ』だって、よ!!」
ドガッ!!
説明しながら喧嘩を始める歩と真浩。
背中合わせで戦うその姿は、まるで阿吽だ。
完全に互いを信頼し、背中を預けている。
「……すごい…………」
思わずそうこぼしたとき、私の背後に誰かが殴りかかってくる気配を感じた。
素早く振り返ると、案の定桜蘭の幹部だ。
突き出してきた腕を掴み、足祓いをかけて転ばせて蹴り飛ばす。
血が飛び散り、倒れている男たち。
殴り、殴られ、蹴り蹴られ。
屋上は、戦場と化していた。
戦いが、始まった・・・