Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「咲誇っ!!」
「行かせねぇよ」
私に駆け寄ろうとする蓮央の前に、翠斗が立ちはだかる。
さっきまで翠斗と戦っていた圭太は私と同じように気絶させられたのか、目を閉じてフェンスにもたれていた。
「どけよ!!」
「お前の相手は俺だ。総長同士、ケリをつけようぜ?」
不敵な笑みに誘われるかのように、蓮央は無言で殴りにかかる。
「バカか」
ハッと笑った翠斗は、微妙に体を傾けてそれをよけ、蓮央のみぞおちを突く。
「かはっ……!」
一発で吐血するほどの威力を持つそれは、翠斗の強さを証明していた。
「蓮、央!」
「お前もよそ見してるとああなるぞ」
「ゔぁ……っ!!」
二階堂と春樹にかわるがわる蹴られ、胃がせり上がってくる。
霞む視界の中、地面に膝をついている蓮央が見える。
あまりの威力に、立ち上がることすらもできていない。