Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「諒真さぁ〜んっ♡奈緒の腕折ってぇ〜!!」
髪を切り、ボブカットの茶髪になった奈緒だ。
なんでも諒真の『強さ』に惚れたらしく、毎日こうして腕を折られるためだけにやってくる。
ちなみに諒真は「気味が悪い」といって逃げ回っている。
「ほら、照れてないではやくぅ〜♪」
「助けてくれ圭太ぁぁ!!」
涙目で抱きついてくる諒真を見かねた圭太が、はぁ、とため息をついた。
「お前いい加減諦めろよな。そんなに折って欲しいなら俺が折ってやる」
「はぁ!?なんでアンタに折られなきゃならないの!?ただの折られ損じゃない!!
諒真さぁん、早くぅ〜♡♡」
「圭太この女怖い!!」
「俺も怖ぇーわ。諦めて折ってやれ」
「圭太の薄情者ぉぉ!!!」
「足を折ればもう来られないだろ」
「……あ、なるほど!!こっちこい奈美!
両足の骨全部砕いてやるから!!」
「奈美じゃなくて奈緒ですぅ〜!諒真さんったら積極的ぃ♡」
俺は苦笑いをして、ソファーから腰を上げた。
「圭太、こいつら頼んだぞ」
「おぅ。帰るのか?」
「あぁ、もう9時になるしな」
「咲誇によろしくー」
【睡嵐】……元【睡蓮】のたまり場だった倉庫を出て、バイクに乗る。