Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
カードキーをかざして部屋のドアを開け、中に入る。
「ただいま、咲誇」
声をかけるとパタパタと足音がして、黒髪セミロングの女が駆け寄ってきた。
「おかえりなさい、蓮央さん!」
「おう。体調大丈夫か?」
「はい!今日は調子がいいです!」
前とは違う少し余所余所しい咲誇の笑顔。
「良かった。……まだ、何も思い出さないか?」
「はい……ごめんなさい」
「いや、無理すんなよ。飯作ってくれ」
「はいっ!」
咲誇はニコッと笑い、キッチンへと走っていった。
白いソファーに座り、ビール缶の蓋を開けて飲む。
2ヶ月前、翠斗に椅子で殴られて倒れた俺。
幸運にもすぐ救急車が来て手術したおかげで命はとりとめた。
新も数週間入院し、無事退院。