Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
○闇の中から
《咲誇side》
「ただいま、蓮央」
そう言って笑うと、蓮央の目に涙がにじむ。
「咲誇っ……!」
「ちょ、苦し………」
思い切り抱きしめられて、私も涙があふれた。
「馬鹿野郎……勝手に離れてんじゃねぇ……」
「ごめん、蓮央……」
「戻って来ないかと思ったじゃねぇか……」
「ごめんね…………」
自分が自分だと分かった途端、蓮央への愛しさがこみあげてくる。
「ごめん蓮央……遅くなった…………」
「遅すぎんだよ……!何で2ヶ月も忘れてんだ!!」
「ん……ごめん…………蓮央が死んだかと思って、壊れた……」
「死なねぇよ…お前を残して死ねるかよ!」
「そう、だよね………私、馬鹿だ…………」
私に必死にしがみついて泣く蓮央は、本当に不安だったんだと思う。
私が逆の立場だったら、きっと耐えられない……。