Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「待てよ、咲誇」
南蓮央に腕を掴まれて、引き戻された。
顔を伏せたまま抵抗する。
「……離してよ」
「【桜蘭】で何があったか説明しろ」
話して何になるの?
「そんなことがあったんだ、辛かったね」
なんて、同情するつもり?
そんなの、いらない。
「説明するまで離さないからな」
はぁ?
何それ、面倒くさい。
でもなんか、本気そうだな……。
二度と会うことも無いだろうし、話してもいいかな。
「…分かった、話すから」
そう言うと、南蓮央は手を離して私を座らせた。
そこにいる全員が注目する中、私は話し出した。
「私は確かに、【桜蘭】元姫。高校に入学してすぐに、総長の翠斗に声をかけられて姫になった。でも……」
数ヶ月前にあったことを、全て話した。
苦い顔をしながら、みんなは聞いている。
何でそんな顔をするのかな。
他人事なのに。
まぁ、多分この人達も私を疑うんだろうな。
翠斗たちみたいに。
裏切り者なんだから、追い出されて当然だろって言うんでしょ……?