Am I What Colors?ー元姫の復讐ー



涙を浮かべて頷くと、蓮央は長い指でそれをすくいとってくれる。


昔と変わらない、大好きな蓮央。


やっと勝ち取った『No,1』を捨ててまで、支えようとしてくれる蓮央。



蓮央がいてくれて本当に良かった……!


蓮央は私をまた抱きしめて、目を閉じる。



「俺も仕事しねぇとな……もうハタチだもんなぁ」


「仕事の宛はあるの?」


「親父の力を借りるしかねぇ。ボディガードにでも何でもなってやるよ」


「喧嘩だけは強いもんね」


「お前ほどじゃねぇよ…………」



まぁ、そうかも……。


我を忘れて暴れ回った私につけられたあだ名は、『薔薇のトゲ』。


失礼なあだ名をつけてくれたものだ。

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