Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「その奈緒って奴、ほんと最低だよな」
「そんなクズが姫だなんて、【桜蘭】も
落ちぶれたもんだなぁ」
「クズはそいつだけじゃないだろ。【桜蘭】の奴ら全員がクズだ」
・・・え?
耳を疑って顔を上げると、そこは【桜蘭】に対する不平不満の渦に包まれていた。
ポカンとしてそれを見ていると、南蓮央が私に話しかけてきた。
「咲誇、俺らはお前がやったとは思わない」
「何で、疑わないの……?」
普通、私を疑うでしょ……?
あいつらが、そうしたように。
私を、信じてくれなかったように。
「お前がそんなことをする奴には思えない。さっきだって、俺らに真っ直ぐぶつかってきただろ?」
彼らは私のことを何も知らない。
今日出会ったばかりの、見知らぬ女。