Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
___パァンッ!!
「ってぇ!?」
髪を黒に戻した奈緒が、諒真さんの頬を叩いた。
頬には見事に紅葉が咲いている。
「ち、違うんだ奈緒!これはいわゆる愛情表…………スキンシップだ!!」
「愛情表現っていいかけたわよね、今!!」
はんにゃのような顔になった奈緒に追いかけ回される諒真さん。
「ご、誤解だぁぁ!!助けてくれ圭太!」
「悪ぃ関わりたくねぇわ」
「ひどっ!?そんなんだから零羅と結婚できねぇんだよ!!」
「残念〜。昨日婚約しましたけど」
「お前!!それを歩の前で言うか!!いいか!?歩は零羅が好きで好きで仕方ないんだ!!」
「………黙れ先輩…」
「うおっ!?いつからそこにいた歩!!」
「ずっといたっつーの!!!!」
まるで漫才のようなそれを眺めていると、蓮央が無言で諒真さんの首根っこを掴んで奈緒に引き渡した。
「きゃあ!ありがとうございます蓮央さん!!………さぁ、出かけましょうか諒真さん♡」
「ぎゃあああ!!出た!!デートという名のリンチ!!」
「黙りましょうか。ではさようなら、蓮央さんに咲誇さん、そして皆さん」
奈緒はニコリと微笑むと、ものすごい馬鹿力で諒真さんを引っ張っていった。