Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
ばか、と言ったきり黙り込んだ私を見て、蓮央がため息をつく。
「何だよ、まだ妬いてるのかよ。じゃあもっと言ってやる。
仕事をしてる時は、咲誇と葵のことしか考えてない」
「…………」
「親父を乗せて運転してても、隣にお前らがいたらって思ってる」
「…………もう、いい……」
「俺が咲誇を働かせないのは、ほかの男に狙われないようにするため。街で歩いてる男がお前を見る度イラつく」
「もう、いいって…………」
「告ってきた女が女に見えねぇよ。全部同じ顔に見えるんだ。でも、咲誇を見る度、すげぇ癒される」
「もうやめてよ……」
猛烈に恥ずかしくなって、蓮央に背を向けた。
その私の耳に唇を寄せて、蓮央が呟く。
「俺は、一生咲誇のものだから、大丈夫」
「っ……ね、寝る!!」
後ろで蓮央が笑っているのを無視しながら、私は必死で眠りについた。