Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
葵と手を繋いで歩いていると、行き交う人達がコソコソと何か話している。
「ねぇ見た?あの髪の色」
「見た見た!信じられないわよね、あんな小さい子の髪も染めるなんて!」
「親はきっとどこかのヤンキーよ!」
「あー、やだやだ!あんな親だけはごめんだわ!」
ほっとけ。
染めてねぇよ、これ地毛なんだけど。
大抵のやつは、っていうか今まで出会った全員が、この髪は地毛って言ったら驚いていた。
まぁそりゃあ、青髪が地毛って滅多にねぇよな。
あいにく俺はクォーターなんで。
まだひそひそと言っている中年のオバサンを無視して、葵の手を引く。
「パパ……」
歩いていた葵が、うつむき加減に口を開いた。