Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「大丈夫だよ、葵。なめられないから。でも、お返事は大きくしようか!」
「うん、がんばる!」
う、うわ、眩しい!!
葵の笑顔眩しい!!
きゅんきゅんしていると、蓮央に頭を叩かれた。
「行くぞ、二人とも」
そう言って通り過ぎようとした蓮央のスーツの袖を、だっこされている葵が掴んだ。
「パパ、たたいちゃだめだよ?お母さんがないちゃうよ?」
心配そうに私の叩かれた頭を撫でながら、葵は蓮央を見上げる。
「ほかの人をきずつけちゃだめだって、パパいつもいってるよね?」
「う……」
その穢れない瞳で見られると、さすがの蓮央も降参みたい。
「……悪ぃな」
私の頭に手を置いて、目を逸らしながら小声で言った。
その頬が少し赤くて、笑ってしまう。
「ふふ、蓮央かわいい」
「………………葵、来い」
蓮央は無言で睨んで私から葵を奪って玄関に歩いていった。
これは照れたときの蓮央のクセ。
変らないなぁと思いながら、 マンションを出て車に乗り込んだ。