Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
○周りの目
カツン、と、靴音を響かせた途端集まる視線。
それらは全て……葵の髪の毛に、集まっていた。
「母ちゃん、あの子の髪変ー!!」
「こ、こら!!」
そんな親子の会話があちこちから聞こえ、葵の手が震えているのに気がつく。
沸き上がる怒りを抑えながら、葵の手を握り返した。
蓮央が、私にそうしてくれていたように。
『南 葵』と書かれた紙がある机に葵を座らせ、その隣に私が座った後もひそひそ話は続く。
「嫌だ、何かしらあの髪!」
「染めてるのかしら?」
「地毛なわけないでしょう!!」