Am I What Colors?ー元姫の復讐ー


蓮央は私の隣に座って、長い脚をくむ。



「悪ぃ、ギリギリだ」


「ホントだよ……間に合わないかと思った」



蓮央は今、仕事用に黒のウィッグをかぶっている。


流石に仕事で青髪はダメだと言われたかららしい。


黒髪でも整った顔は引き立てられ、周りのお母様方がちらちら見ている。



「ねぇ、さっきの『葵』とかいう子さ……」



また、あの3人組がひそひそ話し始めた。



「そうそう、顔はすごく可愛いけどねぇ」

「無垢な顔して、髪を染めるなんて。将来ロクな大人にならないわよぉ?父親の顔が見てみたいものね!」

「あーあー、親にも子供にも関わりたくないわぁ!」



ハハハ……こっちも関わりたくないわ。


心の中で苦笑いしていると、隣から春とは思えぬ冷気が漂ってきた。


ま、まさか・・・?


恐る恐る、隣を見ると……



「れ、お……?」



黒髪の彼が、氷の微笑を浮かべながら3人組を見ていた。


その目は殺気を宿っています、はい。



「咲誇……あいつら誰?」



【睡嵐】元総長が降臨しちゃった……!!



「………葵のクラスメイトの親です」


「クラスメイトか……。この後、教室行くよな?」


「行くけど……それがどうかした?」



そう尋ねても、蓮央はずっと不敵に笑うばかりだった。



< 451 / 469 >

この作品をシェア

pagetop