Am I What Colors?ー元姫の復讐ー


はじめは噛み付いていたが、そのうち真実を話してくれた。


それを聞いた俺らは唖然とした。


世界No,1を誇る【桜蘭】の中で、そんなことがあったとは。


咲誇の悔しそうな、悲しそうな顔を見なくても、俺らには分かっていた。


咲誇は何もしていない。


こいつが、いじめとか嫌がらせをするような馬鹿な女にはどうしても見えない。


そんなことをするくらいなら、真正面からぶつかるだろう。


こいつの目は、そんな目だ。


まっすぐで、澄んだ瞳。


それでいて、どこか闇を纏っている。



「お疲れ」と声をかけたら泣いた咲誇を、なぜか守りたいと思った。


少しだけ見ることのできたあの笑顔を、もう一度見たいと思った。


こんな気持ち、初めてだ。


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