Am I What Colors?ー元姫の復讐ー



別に、守ってもらわなくてもいいし。


そもそも学校行きたくないんだけど。



「行きたくない」


「却下。行け」



はいはい、拒否権は無いってか……


あ、そういえば。



「制服、家にあるんだけど」


「あー。帰りたくないんだっけか、お前」



頷くと、南蓮央はなぜか立ち上がってどこかに行ってしまった。


何しに行ったんだろう…。



パンケーキを食べながら待っていると、南蓮央が何かを持って帰ってきた。



「これを着ろ」



そう言ってバサッとソファーに置かれたのは、見覚えのある制服。


紺のブレザーにオレンジのネクタイとプリーツ。


紛れもなく、私が通っている高校の制服だった。



「どうして、これが……?」


「知り合いが昔、そこに通っててな。自分の服で手いっぱいだからって、俺に押し付けたんだよ」




へぇ。


にしては、シワ一つなくて綺麗……。



「いいから着替えてこい。食い終わっただろ?」



空になったパンケーキの皿を取り上げられ、代わりに制服を押し付けられる。


仕方なくリビングから出て、お風呂の脱衣所で制服に袖を通した。


着たくなかった、忌々しい制服。


見るだけで吐き気がする……。


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