Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
翠斗がそう言った瞬間、視界が砂嵐のように斑(まだら)になった。
貧血の時になるような感じと、似てる。
ウラギリモノハキエロ
ウラギリモノハキエロ
その言葉だけが、頭の中を駆け巡る。
「そういえばさ、俺と奈緒、付き合ってる。お前はもういらないから」
翠斗は私にそう一声かけ、仲間を引き連れて屋上から去っていく。
翠斗が…奈緒と、付き合ってる……?
ウソ……嘘でしょう?
ねぇ、お願いだから...
これは冗談だって、言ってよ。
願っても願っても、現実は変わらない。
私の居場所が、音を立てて崩れていくような気がした。
信じていた仲間、そして愛する人。
全てが私から離れていく...。
「……やだ…」
ウラギリモノハキエロ
ウラギリモノハキエロ
ウラギリモノハキエロ
『俺はお前を信じるよ、咲誇』
『愛してる』
『――...お前はもういらないから』
「っ……いやあぁぁぁぁっっ!!!!」
私の叫び声が、屋上に……学校中に、響きわたった。