Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「そこまでだ」
低い声とともに、私の拳が止められる。
揺れているのは短い赤髪。
私はそいつを睨みつけた。
「……邪魔しないで、歩」
「それ以上殺ると、停学になる」
「願ったり叶ったりだよ、そんなの。いいから最後まで殺らせて」
でも、歩は腕を離してくれない。
睨み合っていると、巻き髪女の甲高い声が響いてきた。
「く、栗原様!?」
栗原……様?
って、歩のこと?
歩を見上げると、怪訝な顔で巻き髪女を睨んでいた。
「栗原様、栗原様ですね!! お久しぶりでございます!!」
「うぜぇ黙れ」
「あぁっ!! 今日も素晴らしい罵倒です!!」
「……はぁ…」
歩が面倒くさそうにため息をつく。
どういうことだろ……?