キミが笑ってる、この時間が幸せなんだ。
サミシイ
『傘、ほんとにありがとな!明日返すよ(b・ω・)b』
『ありがとw絵文字可愛いねーw』
『そうか?誰でも絵文字なんて使うだろ(*´-ω・)』
「須賀くんが使うと可愛さ倍増なんだよね…。」
私は須賀くんに傘を押し付けて帰ったものの、結局ビシャビシャに濡れてしまった。
なので、今お風呂入って、あがって、自分のベッドの上で須賀くんとLINE中。
『じゃー、俺そろそろ寝るな!』
「え、もうそんな時間!?」
部屋の時計を見ると既に夜の11時。
「あー…須賀くんに迷惑、かけちゃったかな…?」
『ごめんね、こんな時間まで!』
『平気平気!それじゃーな、オヤスミ(-_-)zzz』
『うん、オヤスミー!』
須賀くんからのLINEが途絶え、私はぽふっと自分のベッドに飛び込んだ。
「(須賀くんみたいなカッコイイ人と、LINEしちゃった…。)」
「えへへ…。」
興奮冷めやらず、私はクマの人形を抱えて足をバタバタさせた。
「早く寝なさーい」ってお母さんの声が聞こえた気がしたけど、そんなの今の私には関係なかった。
明日傘を返してもらえるってことは、また会える…!
それに来週の講習会でも会えるし…!
明日が楽しみだな…!
…と内心ウキウキして寝た、次の日。
「…ゲホ、ゴホッ…。さ、39℃…。」
「あー、これ、完全に風邪ねー。学校にお休みするって連絡入れとくわー。」
今日の朝起きたら体がだるくて、熱を測ったら先程の通りだ。
雨に濡れたせいだろうけど…。
私ちゃんとお風呂入ったのにな…。
「連絡入れてきたわよー。愛魅ー、お母さん今日仕事入ってるんだけど、一人で大丈夫?」
私の母は看護師さんをしており、看護師さんの中でもかなり上の人らしいから、なかなか仕事なんて休めない。
ここでワガママを言ったらお母さんはきっと無理矢理休んでくれるんだろう。
私は引き止めたい気持ちをぐっとこらえて、笑顔を浮かべた。
「平気だよ、仕事頑張って、お母さん。」
「…そう?じゃあお言葉に甘えて、仕事行ってくるわね。薬と冷えピタは愛魅の部屋の机に置いておくわ。念のため、水とタオルも置いておくわね。後、お粥キッチンに置いてあるから。お昼食べなさいよ?」
「うん、ありがとお母さん…。いってらっしゃい。」
「うん、行ってきます。」
心配そうな顔でお母さんは私の部屋を出て行った。
…正直、風邪は嫌い。
だって一人ぼっちになっちゃうから。
かと言って、お母さんを引き止めるわけにはいかないし…。
…………寂しい。
…須賀くんに、会いたかったな…。
そんな事を頭の片隅に置いて、私はゆっくりと眠りについた。