純真~君への想い~
そして、また、いつもの時間


「真努佳、ちょっと、休憩するから、
店番頼む」


「うん、わかった」


店に向かうと、仲良く、
未来翔と純礼ちゃんの話し込んでいる姿が
あった


この光景を何回見ただろう


お似合いの二人だと思うのに……、

なんだろう、この気持ちは――


「あっ、兄ちゃん」

「未来翔、仕事は」

「もう、そろそろ、でも、時間あるから、
可愛い子とお話をね」

「そっか」


なんだろう、このもやもやは――


「兄ちゃん、どうしたの?

いつもなら、店で口説くなとか言うのに、
もしかして、具合悪いとか」


「いや、別に、何でもない」


俺は、弟に、未来翔に、嫉妬しているん
だろうか。


醜い

こんなこと、思うなんて――


「兄ちゃん、本当に大丈夫かよ」


「大丈夫だよ」 


「兄ちゃんの大丈夫は、信用ならない」


「大丈夫だっていてるだろう!」


自分でも驚くくらい大きい声が出た


「兄…ちゃん」 

「ほら、早く仕事、行ってこい」


背中を押しながら、店の外へ出した


「ちょっと、兄ちゃん」


ドアを閉めた


何やってんだ、僕は……


「あの、真努佳さん?」


「あっ、ごめん、大きい声だして」


「いえ、大丈夫ですか?」


「うん」


何か、凄く気まずかった



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