檻の中から捧げる君への嘘








立ち上がろうとした男の



後ろから馬乗りになり



腕が使えないよう



ナイフで両腕を切りつけた






情けない声で叫ぶ男の



心臓を目掛けて



私は両手で握りしめた



ナイフを突きつけた




力を込めたら一瞬で





男は少しして動かなくなった










会場が静まり返ったかと思うと



突然 大きな歓声が響いた











何が起きているのか



よくわからなかったけど



私は勝って生きている



ということだけは



わかった

















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