檻の中から捧げる君への嘘
「あの…鷹野さん」
「…はあ、銀でいいと言っただろう
さんもいらない」
私の心配はしなくていいと
伝えようと彼の名を
呼ぶと又しても
私が困るようなことを言ってくる
「…けど」
アンバーが人間を下の名で
呼べば それこそ
罰が下ってもおかしくない
「これは命令だ、苑」
「っ……」
彼は分かっていて
その言葉を口にしている
私がアンバーであるないを
関係なしに
彼の命令には逆らえないことを
知っているんだ
「はい……ぎ…ん…………でいいですか?」
「ああ。…で、どうした?」
彼は満足なのか
話をもどして
目的地に向けて足を進める