檻の中から捧げる君への嘘
「これ…買ってきたよ」
「苑ちゃん!また買ってきてくれたの!
やった!!!みんなー」
他のアンバーたちに買ってきた
金平糖を渡すといつものように
喜んでくれる
その姿をみて微笑みを浮かべると
私は自分の檻に戻る
私は此処のアンバーのなかでも
一番だから一人用の
檻が与えられている
綺麗とまではいかないが
アンバーには
十分すぎる蒲団が用意されている
私は檻の隅に座り込み
足をかかえて
そこに頭を埋める
決闘や銀の手伝い以外のときは
いつも こうして何もしないで
うずくまるんだ
誰もいないこの時間は
少し怖い
一人は楽だと思うのに
一人は怖いと思う私は勝手だ
誰かに側にいてほしいと思う