檻の中から捧げる君への嘘
「きゃあああああ」
「……………………」
他の檻から聞こえた悲鳴に
私はなれたように
耳を塞ぐ
またこの時間がきた
それは悪夢のはじまりの合図
アンバー……特に女は
人間の男たちにとっては
好都合の存在だ
夜になると見張り番の男たちが
檻にやってきて
いいように扱われる
私の檻には来ないのは
近くに銀の部屋があるから
だけど
私も昔は同じだった
だから今でも声を聞くだけで
あの瞬間を思い出す
突然やって来た男に
腕を押さえつけられて
抵抗も出来ずに
気づいたときには
全て終わっている