檻の中から捧げる君への嘘
目の前にいる少年は
昨日まで共に過ごしていた
同じアンバーだ
私よりも4歳幼い男の子
この殺しあいは今日が初めてで
偶然にも相手が私に当たってしまった
目の回りが赤く腫れ上がっている
嗚呼。きっと泣いたんだ
私と戦うことを、傷つけることを
想像して苦しんだんだ
優しい
私はボーッと突っ立ったまま
そんなことを思う
私には相手を傷つけると悲しいとか
そんな人情的な感情が無いから
殺すことに躊躇いなんかない
ただ可哀想だなとは思う
「あの坊っちゃん可哀想だな
初めて戦う相手があの
BLOODY MARYだなんて」
「ほんとに。ありゃ、負け確実だな」
「「「BLOODY MARY
BLOODY MARY」」」
会場に響き渡る私を呼ぶ声
BLOODY MARY
それは私が最強である証