檻の中から捧げる君への嘘









「おかえり苑ちゃん


今日も勝ったんだね!」




部屋に戻ると私を慕う


女の子がやって来る





殺しあいなんて無かったかのような


陽気な声


こんなのはいつものこと



私たちにとって



これが当たり前だから










相手を殺めたことは


罪には問われない



人間にとってアンバーは


犬や猫よりも価値がない


死んだところで意味を成さないし


殺したところで気にも止めない




だから私たちも


そのことに罪悪感は感じない


























私が初めて人を殺めたのは


10歳の頃だった















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