Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
「真木しゃあ〜〜ん!!」
船のベルト 外れるのが待てない
魔法使いが、待っててくれてる
「よっ!おかえり」
「あ…あのなぁ?
テスト、すごい出来た!!」
「お!オレのヤマ、当たったか!」
「…お守りのおかげやもん」
頭 ガシガシされて
魔法使いが 笑う
「おばあしゃん!ただいまぁ!」
「お帰りぃ〜」
二階にあがって
麦茶をもらった
「うあ〜〜… 英語かあ」
「え、真木しゃん 英語 ニガテなん?」
「スゲー苦手」
なんか意外で、カワイイ…
魔法使いはちょっと
西洋のヒトっぽい顔してるし
… それに
「――… 呪文、困らんの?」
「ジュモ?」
「あ…っ
なっ!なんでもなかよ?!」
「あれか、一年だと
単語と、文法だろ?」
「う、うん
か、書いて、覚える
国語と英語は、結構得意やけん」
「なら、物理先にやろうぜ
暗記モノは 家でも出来る」
「え〜…
わ、わかったちゃ…」
「さては、物理ニガテだろ」
「ぶ…物理得意な女の子って
あまり聞いた事なかよ…」
「何言ってんだ
世の中のお母さんってのは
スゲー物理学者なんだぞ」
「へ…なして?」
「美味しい料理を作るのは
検証と実験の、積み重ねだろ?」
「… 料理と物理は 似てる?」
「材料がわかってても
行程ムシ、味見もしないで作ると
恐ろしいモン出来あがるのも似てるな」
お洗濯物取り込みながら
おばあちゃんが、笑ってる
――… 魔法使いの授業は 楽しいなぁ